Jリーグに融資申請へ=J2水戸
http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_date2&k=2011011600184

スポンサー撤退や移籍金制度廃止の影響で、水戸は公式試合安定開催基金から借り入れを行うそうです。

スポンサー撤退はともかく、移籍金制度廃止が経営に大きな影響を与えることになるとは。

借り入れといっても3000万円。言ってしまえば、Jクラブとしては、そんなに大した額ではない。

大した金額とは思えないだけに、問題は少し深刻な気がします。

まあ、つまり、ぎりぎりなんだな。

2010年の数字はまだ出ていないけど、2009年の数字では、水戸の営業収入は4億1300万円で、小額(600万円)ではあったものの、なんと純利益があった。この年のJ2平均は△2800万円だし、J平均では△6400万円だった中でです。

水戸は2009年の入場者数がワーストだったということで(ワースト2位は僕たち)、「欽ちゃんのワースト脱出大作戦(http://www.nhk.or.jp/program/dasshutsu/)」の企画として取り上げられ、2010年はワーストからの脱出を図って観客増員を目指した話は、以前の日記にも書いた通り(第11節水戸戦【欽ちゃんのワースト脱出】http://blog.livedoor.jp/takaohblog/archives/51588990.html)。

柏戦で1万人の動員を目指して、クラブも選手も地元の方たちもがんばった様子を、番組で放送してきたのだけれど、その結末を先日放送していたのを見ました。(今年のスローガンが「結婚~KEKKON~」なだけに、同番組の別企画の秋田での「畑で婚活」の行方も気になるところですが。)

なにしろ全国放送のNHKで取り上げられた効果が大きかったのか、当日の観客数が1万人を超えたのは見事でした。ちなみに、印象的だったのが、せっかくの大観衆を前に試合に負けてしまってしょげていた本間選手を、欽ちゃんがお客さんが集まってくれたのだから成功ではないか、笑顔を見せるべきだというようなことで諭したこと。ショービジネスとしてはそういう姿勢がやっぱり大事なんだろうなあ。

な~んて、いい話だなあと思ってたばかりだったんでした。

2009年のホームゲームは26か25試合で、2010年は18試合に減ってしまったので、トータルで見るともちろん観客数が減ってしまったクラブがほとんど。2009年と2010年にJ2に在籍していたクラブだけで比較すると、

    2010年  2009年  増減
甲府 223,309人 276,463人 -19.2%
札幌 193,280人 265,376人 -27.2%
福岡 158,777人 194,071人 -18.2%
岡山 128,900人 154,039人 -16.3%
熊本 124,317人 150,150人 -17.2%
鳥栖 119,392人 154,408人 -22.7%
横浜 104,230人 91,898人 +13.4%
東京 100,297人 143,539人 -30.1%
徳島 83,057人 105,897人 -21.6%
富山 80,327人 93,507人 -14.1%
草津 79,638人 112,584人 -29.3%
愛媛 78,945人 96,054人 -17.8%
栃木 74,821人 117,643人 -36.4%
水戸 64,949人 66,818人 -2.8%
岐阜 55,950人 107,557人 -48.0%

水戸がワーストを脱出できたのは、岐阜が低迷してしまったことが大きい(ので、今度は岐阜が心配だ)けれど、でも試合数が減って軒並み前年度比大きなマイナスになっているクラブが多い中、微減に抑えることができたことが勝因だろうと思います。1試合あたりの平均で見ると、前年度比プラス35%はこの中で横浜に次いで2位だし。(いや、試合数が減った中、増員できたのはこの中では横浜だけ。素晴らしい!)

NHKで話題にもなったことだし、観客も増えたことだし、営業の方ががんばってスポンサーを見つけられることを祈るばかりです。